鑿(のみ)の正しい使い方、選び方、手入れ【図解】

鑿 イラスト2

鑿の使い方

一般的な追入れノミの使い方から見てみましょう。まず木材はクランプで作業台に固定するのが基本です。伝統的には、長い柱にホソ穴をあける場合など、横座りが基本とされます。またがった姿勢では、太ももをケガしやすいからです。

しかし低い位置にある材料でも、できれば地面にひざでたつか、しゃがんで作業したほうが材料の回りを移動しやすく、自由が利きます。原則としては、重くてて持ち上がらないもの以外は、作業台の上に載せて作業しましょう。

追入れノミは打つものなので、作業には反動を受け止めるだけの、重い質量が必要です。作業台の脚の真上に材料を置けば、ノミはよく進みます。ヨコ方向に打つ場合は、作業台に留め板を打ち付けたり、大きな板をクランプ締めして、材料に当てがいます。また、カナヅチも重いほうが効率的です。

ノミはカツラのすぐ下を握り、ゲンノウの打撃面は平らな側を使います。そしてノミの中心軸に合わせて、真っすぐ振り下ろします。この角皮がズレると、カナヅチはノミから滑って手を打ちます。ノミにカナヅチを当て、カナヅチの柄がノミに直角になる位置を探して、姿勢を決めましょう。疲れた時などに、手を打ちやすいのは、知らぬ問にカナヅチを持つ側のひじが下がっているからです。

ノミは片刃なので、刃先側に曲がって進みます。食い込んでしまってからでは、手で真っすぐ立て直すことはできません。ホソ穴を彫る場合でも、1回に進むのは3ミリ以内と考えたほうがよいでしょう。また、バールのようにこじると、穂が曲がったり、首が折れることがあります。食い込んで抜けないノミは、穂の幅方向に揺すって抜きます。

またヒンジの彫り込みのように、浅く彫る底面は、軽いカナヅチを使ってノミが行き過ぎないように加減します。軽く彫れるからといって、片手で押す力だけで彫るとノミが暴走し、ケガのもとになります。

追い鑿の基本

追い鑿の基本

次は突きノミ。これは必ず両手で持ちます。ケガが多いので、これだけは守ってください。特に刃の進行方向に手を出していると危険です。材料は手で持たずにすむように、しっかりクランプで固定しましょう。

そしてノミが真っすぐ進むように、利き手を柄頭に当てて、ひじをノミの軸方向に向けます。もう片方の手は、ヨコから首部分を握って支えます。しかしこのままノミをギューツと押し付けたのでは、コントロールは利きません。 10ミリとか30ミリのストロークを決めてから、グイッグイツと突き出すのがコツです。

ノミは刃先と直角に切り進むために抵抗が大きく、力を入れなければなりません。そして切り終わる時は、込めた力が急に解放されて暴走します。切り終わりは予測できません。最初からストロークを設定して、その位置でノミを止めるつもりで動かす。これは刃物全般にも言える、基本の操作でもあります。
突きノミで硬い材料を彫るには、体重を利用します。この場合は左右の手を逆に持ち、柄頭を握った手を肩に当てます。全体重を預けるのではなく、上体を乗せてはずみを付けるだけです。ノミが急に進んだ場合でも、腰まで持っていかれないように、安定した姿勢をとりましょう。

突き鑿の作業

突き鑿の作業

鑿の使い方 ポイント

鑿の使い方基本

鑿の使い方基本

斜めに打つって水平な底にしたいのなら刃の平面の側を上にする。ノミを真つ直ぐに打ち進められる時は平面の側を材料につければいい。

鑿の使い方ポイント

鑿の使い方ポイント

鑿の使い方はいかなる用途でも注意したいのは、材料を残す面に刃の裏をあて、削る(または掘る)面に刃の表をあて
ること。

鑿の使い方1

鑿の使い方基本1

鑿の使い方基本1

墨線の内側にノミを垂直に打ち込む。この深さまで、まずは掘り込むことになる。

鑿の使い方2

鑿の使い方基本2

鑿の使い方基本2

ノミを斜めにかまえ、墨線に向かって掘る。1回の打撃で進めるのは数mmにしておく。

鑿の使い方3

鑿の使い方基本3

鑿の使い方基本3

最初に垂直に打ち込んだ深さまで掘り進んだら、再び垂直に打つて深さを決める。

鑿の使い方4

鑿の使い方基本4

鑿の使い方基本4

深さを決めたら掘る。これを繰り返していき、目的の深さまで掘り進める。

鑿の使い方5

鑿の使い方基本5

鑿の使い方基本5

目的の深さになったら、墨線の位置で垂直にノミを打ち壁になる位置を確定させる。

鑿の使い方6

鑿の使い方基本6

鑿の使い方基本6

壁の周辺など底の部分をさらにけずって微調整していけば目的の穴が完成。

動画 鑿の使い方 |初心者、女性向き

鑿の手入れ、メンテナンス

新しい追入れノミは、まだカツラが安定していません。図のように、ならすっもりでたたいて下ろしましょう。カツラが柄より1ミリほど下がって、柄の繊維がカツラに乗り上げるくらいが理想です。たたいても下がらず、内側にバリが出たり、柄にめり込むカツラは、作業中にはずれやすくなります。この場合は、柄をテーパー状に削って、カツラを奥にはめ直します。

これは「カツラを下げる」といい、新品のノミを使いやすくする方法です。削る道具は、小刀よりもサッドペーパーのほうが調節しやすく、ぴったりできます。ペーパーの研ぎ跡は、汚れやすいので、ドライバーの軸などでこすって滑らかにします。

カツラ下げ1

カツラ下げ

ノミを保管する時は、木箱が最適です。枕木を付けて首を支え、刃同志が触れ合わないように工夫します。ノミをペン立てのように差していてはサビやすく、刃も傷みやすくなります。何といっても、空気にさらしておくのがサビのもとです。同時に、刃物を出しっぱなしにする状態なので、あまり勧められません。

用品としては、ノミ巻きがあります。これはコンパクトに収まるので携帯に便利ですが、サビは防げません。使い終わったら、金属部分全体に薄くミシン油ります。さらに鑿巻きごとビニール袋にいれておけば効果的です。箱に入れた鑿の場合は比較的サビにくいものですが、長期の保管には、食品用のラップで1本ずつ金属部分を包めば完璧です。

鑿の保管

鑿の保管

*鑿(のみ)工具の選び方、使い方、手入れについては下記の文献に更に詳細な内容が記載されています。

参考文献:
1.DIY工具選びと使い方 著者:青山元男 ナツメ社
2.DIY 道具の便利手帳 監修:西沢正和 大泉書店
3.電子工作工具活用ガイド 著者:加藤芳夫 電波新聞
4. 道具の徹底使用術  著者:荒井章 山海堂

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