鑿(のみ)の正しい使い方、選び方

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鑿 イラスト2

鑿とは?|のみ、ノミ

鑿(のみ)は、材木などに孔を穿ったり、削るのに用いる道具。

ノミが必要とされた作業でも、現在では電動工具があればできてしまうことがほとんどだが、ノミを持っていると微調整などで便利なこともある。

英語:Chisel

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鑿の機能と特長

鑿の機能と特徴

鑿の機能と特徴

画像出典先:DIY 道具の便利手帳 監修:西沢正和 大泉書店

鑿の名称 |裏すき| 柄 |カツラ

鑿の名称

鑿の名称

画像出典先:道具の徹底使用術  著者:荒井章 山海堂

鑿(のみ)の裏押し、裏出し、裏打ち、裏すき

鑿は通常裏透きがあり、凹んだ裏透きの先端と刃先の先端の間の平面が無くなる事を裏切れと言い、凹みの部分はカーブに研げてしまい刃先を直線に研ぎ上げる事が出来なくなります。
又、裏透き部分は粗いので研いでも鋭利な刃先に研ぐ事は出来ず、削れない状態に陥ります。

そこで鉋の裏透き側を研ぎ再度平面部分を作り出し、刃先を真っ直ぐ研げるように再生するのが裏押しです。

裏出し(裏押し)の重要な目的は、片刃の刃物の裏(ハガネ側)を平らな鏡面に仕上げるということです。
平面にするのは、刃を砥いだ時の刃先を直線とするためや鑿などの場合は、裏を木材加工の基準面(定規)にするためなどです。
鏡面に仕上げるのは、刃先の切れ(刃のつき)を良くするためなどです。

裏すきが無い状態(べた裏)だと、 裏を押す時に下部との接触面積が大きくなり、面圧が低くなるため、裏がでににくくなり、精度の高い平面がでなくなります。 これらの理由により、 裏出し(裏押し)を行います。

鑿の種類

普通、ノミと言えば「たたきノミ」を指します。カナヅチでたたくノミです。
この中には、「追入れ(おいれ)ノミ」と「向待ち(むこうまち)ノミ」があります。このふたつは、穂の断面が六角形か長方形かの違いです。ただ、刃幅が小さくなれば、強度を保つために長方形の断面になって当然なので、それほど区別して呼ぶ機会はありません。どちらも、主にホソ穴を深く彫るのに使われる、肉厚で丈夫な造りのノミです。

鑿 種類

鑿 種類

柄の割れを防ぐため、「カッラ」がはめられています。特殊なものには、丸穴や曲面状のくぼみを彫る「丸ノミ」があります。「木彫ノミ」の中には、穂を斜めに曲げて「すくい」型にした丸ノミもあります。
これら「たたきノミ」に対して、カナヅチを使わず、腕力だけで抑して彫る夕イプが「突きノミ」です。ホソの仕上げや小刀・彫刻刀と似た用途に使われます。

鑿の用途

鑿の用途

代表的なのは薄ノミです。柄と穂が長く、穂の断面は薄手の六角形。カッラはありません。「しのぎノミ」はアリ形組み接ぎなど、狭い内面を彫るためのもの。
三角形の断面が特徴です。これにはたたきと突きの両タイプがあります。「こてノミ」は、溝の底部分を平らにさらうためのノミで、突きノミが主です。

ここで、追入れノミを例に、図でしくみを見てみましょう。ノミは地金と鋼を張り合わせた構造で、地金側を「背」と呼び、その反対側は「裏」です。ちなみに表という名称はありません。裏の凹んだ部分は「うらすき」です。鋼は研ぐ労力が大変なので、その面積を少なくして軽減させる形状です。刃角は、追人れ・突きノミとも30°が標準で、新品はこの角度になっています。突きノミでは29°に研ぎ直す人もいます。 28゜が限界で、これ以下では欠けやすくなります。

ノミのサイズは刃幅で呼びます。3~42ミリが普通で、3ミリとびのサイズです。これは分(ぶ=3ミリ)を単位にしていた名残です。さらに15ミリ以下では、1.5ミリとびになります。表に示した刃幅は10本組セットの一例です。追入れノミのセットでも、たいがい刃幅15ミリ以下は向待ちノミが組合わされます。

たたき鑿10本セットの刃幅

向待ちノミ 追入れノミ
分(ぶ)mm 分 mm
1 3 515
1.5 4.5 618
3 9 824
4 12 1寸30
   ー ー1寸2分36
   ー ー1寸4分42

鑿の選び方

追入れノミは基本的にホゾ穴を彫る道具です。どのくらい専門的にホゾを加工するかによって、サイズの揃え方が変わります。またルーターや電気ドリルを併用しても、丸くしか削れないので、必ず削り残しができます。

鑿の選び方

鑿の選び方

仕上げはノミの出番です。こうしたホソ加工が目的であれば、10本セットほどのサイズを揃えたほうがいいでしょう。もちろんセットでも、バラで買い足すのも構いません。
しかしホゾ加工をする場面はイスなど、細い部材で組む家具に限られています。

ヒンジの彫り込みがメインの方ならば、先ほどのサイズ表のうち、9、15、24ミリの3本を持っているだけでも作業はできます。一方、カンナ台を調整する場合には、押さえ溝の削り作業用として4.5ミリ、または3ミリが必要です。
追入れノミは同時にカナヅチも使うので、いつも両手がふさがる状態です。これが安全につながっています。突きノミは、どうしても片手で使いたくなってケガをしがちです。これは追入れノミに慣れてから、使い始めたほうが無難です。
また用途も限定されるので、必要になってから購入するのがよいでしょう。

彫刻の分野では、彫刻刀を使う前の荒削りとして、ノミで彫る場合があります。
この場合は、平らなノミよりも「丸ノミ」や「すくいノミ」のほうが使い勝手に優れています。これらが大工道具の売り場にない時は、彫刻・工芸用品の「木彫ノミ」として売られているので、そちらも探すとよいでしょう。

ノミの品質は、切れ昧が長持ちすることに尽きます。これは鋼の材質や、鍛造技術のよしあしなので、なかなか見分けられません。品質は価格に比例するという目安が実際のところです。店頭のノミを自分の眼で見分けるとしたら、高級ノミが入ったショーケースまで持っていって、鋼の色を見比べるしかありません。なお「しのぎノミ」「コテノミ」は大工道具専門店で探すか、店頭でカタログを見せてもらって注文することになります。

鑿の選び方 ポイント

1.初めに揃えるならば、使用頻度の高い刃幅三分(9ミリ)五分(15ミリ)八分(24ミリ)の追入れ鑿3本がいい、また微調整の削りとしてだけ使うならば五分の追入れ鑿を用意する。

2.継手を多く作る場合は追入れ鑿より穂先が長く、頑丈な作りの叩きノミを購入。

鑿の定番&逸品 |メーカー 価格比較

小山金属工業所

播磨王 替刃式追入のみ赤樫 (75-121)刃渡12mm

兼友 細工のみ (055-42)丸・15mm

鑿の使い方

一般的な追入れノミの使い方から見てみましょう。まず木材はクランプで作業台に固定するのが基本です。伝統的には、長い柱にホソ穴をあける場合など、横座りが基本とされます。またがった姿勢では、太ももをケガしやすいからです。

しかし低い位置にある材料でも、できれば地面にひざでたつか、しゃがんで作業したほうが材料の回りを移動しやすく、自由が利きます。原則としては、重くてて持ち上がらないもの以外は、作業台の上に載せて作業しましょう。

追入れノミは打つものなので、作業には反動を受け止めるだけの、重い質量が必要です。作業台の脚の真上に材料を置けば、ノミはよく進みます。ヨコ方向に打つ場合は、作業台に留め板を打ち付けたり、大きな板をクランプ締めして、材料に当てがいます。また、カナヅチも重いほうが効率的です。
ノミはカツラのすぐ下を握り、ゲンノウの打撃面は平らな側を使います。そしてノミの中心軸に合わせて、真っすぐ振り下ろします。この角皮がズレると、カナヅチはノミから滑って手を打ちます。ノミにカナヅチを当て、カナヅチの柄がノミに直角になる位置を探して、姿勢を決めましょう。疲れた時などに、手を打ちやすいのは、知らぬ問にカナヅチを持つ側のひじが下がっているからです。

ノミは片刃なので、刃先側に曲がって進みます。食い込んでしまってからでは、手で真っすぐ立て直すことはできません。ホソ穴を彫る場合でも、1回に進むのは3ミリ以内と考えたほうがよいでしょう。また、バールのようにこじると、穂が曲がったり、首が折れることがあります。食い込んで抜けないノミは、穂の幅方向に揺すって抜きます。

またヒンジの彫り込みのように、浅く彫る底面は、軽いカナヅチを使ってノミが行き過ぎないように加減します。軽く彫れるからといって、片手で押す力だけで彫るとノミが暴走し、ケガのもとになります。

追い鑿の基本

追い鑿の基本

次は突きノミ。これは必ず両手で持ちます。ケガが多いので、これだけは守ってください。特に刃の進行方向に手を出していると危険です。材料は手で持たずにすむように、しっかりクランプで固定しましょう。

そしてノミが真っすぐ進むように、利き手を柄頭に当てて、ひじをノミの軸方向に向けます。もう片方の手は、ヨコから首部分を握って支えます。しかしこのままノミをギューツと押し付けたのでは、コントロールは利きません。 10ミリとか30ミリのストロークを決めてから、グイッグイツと突き出すのがコツです。

ノミは刃先と直角に切り進むために抵抗が大きく、力を入れなければなりません。そして切り終わる時は、込めた力が急に解放されて暴走します。切り終わりは予測できません。最初からストロークを設定して、その位置でノミを止めるつもりで動かす。これは刃物全般にも言える、基本の操作でもあります。
突きノミで硬い材料を彫るには、体重を利用します。この場合は左右の手を逆に持ち、柄頭を握った手を肩に当てます。全体重を預けるのではなく、上体を乗せてはずみを付けるだけです。ノミが急に進んだ場合でも、腰まで持っていかれないように、安定した姿勢をとりましょう。

突き鑿の作業

突き鑿の作業

鑿の使い方 ポイント

鑿の使い方基本

鑿の使い方基本

斜めに打つって水平な底にしたいのなら刃の平面の側を上にする。ノミを真つ直ぐに打ち進められる時は平面の側を材料につければいい。

鑿の使い方ポイント

鑿の使い方ポイント

鑿の使い方はいかなる用途でも注意したいのは、材料を残す面に刃の裏をあて、削る(または掘る)面に刃の表をあて
ること。

鑿の使い方1

鑿の使い方基本1

鑿の使い方基本1

墨線の内側にノミを垂直に打ち込む。この深さまで、まずは掘り込むことになる。

鑿の使い方2

鑿の使い方基本2

鑿の使い方基本2

ノミを斜めにかまえ、墨線に向かって掘る。1回の打撃で進めるのは数mmにしておく。

鑿の使い方3

鑿の使い方基本3

鑿の使い方基本3

最初に垂直に打ち込んだ深さまで掘り進んだら、再び垂直に打つて深さを決める。

鑿の使い方4

鑿の使い方基本4

鑿の使い方基本4

深さを決めたら掘る。これを繰り返していき、目的の深さまで掘り進める。

鑿の使い方5

鑿の使い方基本5

鑿の使い方基本5

目的の深さになったら、墨線の位置で垂直にノミを打ち壁になる位置を確定させる。

鑿の使い方6

鑿の使い方基本6

鑿の使い方基本6

壁の周辺など底の部分をさらにけずって微調整していけば目的の穴が完成。

動画 鑿の使い方 |初心者、女性向き

鑿の手入れ、メンテナンス

新しい追入れノミは、まだカッラが安定していません。図のように、ならすっもりでたたいて下ろしましょう。カッラが柄より1ミリほど下がって、柄の繊維がカッラに乗り上げるくらいが理想です。たたいても下がらず、内側にバリが出たり、柄にめり込むカッラは、作業中にはずれやすくなります。この場合は、柄をテーパー状に削って、カッラを奥にはめ直します。

これは「カッラを下げる」といい、新品のノミを使いやすくする方法です。削る道具は、小刀よりもサッドペーパーのほうが調節しやすく、ぴったりできます。ペーパーの研ぎ跡は、汚れやすいので、ドライバーの軸などでこすって滑らかにします。

カツラ下げ1

カツラ下げ

ノミを保管する時は、木箱が最適です。枕木を付けて首を支え、刃同志が触れ合わないように工夫します。ノミをペン立てのように差していてはサビやすく、刃も傷みやすくなります。何といっても、空気にさらしておくのがサビのもとです。同時に、刃物を出しっぱなしにする状態なので、あまり勧められません。
用品としては、ノミ巻きがあります。これはコンパクトに収まるので携帯に便利ですが、サビは防げません。使い終わったら、金属部分全体に薄くミシン油ります。さらに鑿巻きごとビニール袋にいれておけば効果的です。箱に入れた鑿の場合は比較的サビにくいものですが、長期の保管には、食品用のラップで1本ずつ金属部分を包めば完璧です。

鑿の保管

鑿の保管

参考文献:
1.DIY工具選びと使い方 著者:青山元男 ナツメ社
2.DIY 道具の便利手帳 監修:西沢正和 大泉書店
3.電子工作工具活用ガイド 著者:加藤芳夫 電波新聞
4. 道具の徹底使用術  著者:荒井章 山海堂

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