水準器、水平器の使い方、選び方【図解】
初心者、女性向けの水準器、水平器の入門ガイドとして下記のポイントをメインに解説しています。
・水準器、水平器の使い方、読み方、選び方
・水準器、水平器の構造、機能
・水準器、水平器ののおすすめネット通販商品
・水準器、水平器の精度と感度
・カメラ用水準器、水平器
・水準器、、水平器 アプリ
DIY工作のご参考になれば幸いです。(^_^;)
水準器、水平器とは
水平であることを確認する測定具が水準器。床や棚などは水平に作られていないと使いにくいし強度的にも問題が出るので水平は非常に重要です。
水準器は水平器やレベルゲージともいわれる。水平とは地面に対して平行ということで、厳密にいえば、垂力の方向に対して直角ということ。棚が水平になっていないと、置いたボールが転がっていく。

水平と垂直
水準器は気泡管というシンプルな構造で水平を確実にチェックできるものが一般的。同時に鉛直(地面に対して垂直)かをチェックできるものが多く、45度がチェックできるものや、さまざまな角度に対応できるものもある。非常に小さなものから1mを超える長いものまである。長いほど正確に測定できるが、DIYなら10~50cmのものが扱いやすい。
種類としては気泡管水準器、円形水準器、レーザー水準器、角度を数値表示するデジタル式などがある。土木、建築、測量などの分野を中心に広く用いられている。
英語では気泡管水準器はBubble levelです。
水準器、水平器の歴史
古代エジプトでピラミッド建設の際にも水準器(水平器)が使われていたそうです。
リベラと呼ばれるこの水準器は、アルファベットのAに似た木枠の頂点から錘が糸で吊り下げられており、下部に刻まれた視準溝と垂下した糸が重なって見える状態で底辺が水平になる仕組みである。このA水準器は19世紀半ばまで使われていた。

A水準器
ガラス円筒にアルコールと気泡を入れて密閉したアルコール気泡管を用いた水準器は、17世紀半ばの発明である。発明当初は測量用で、大工用として一般に使用されるようになったのは19世紀になってからである
日本では、古書によると鎌倉時代の延慶2年(1309年)の春日観現験記絵(かすがごんげんけんきえ)に、準縄(みずばかり)が記録されています。この木製の樋は、現代の気泡管水準器が市販され普及するまでの長きに亘り使われていた。

準縄(みずばかり)
水準器、水平器の種類、仕組み、原理
気泡管水準器、水平器
気泡管水準器は、金属製あるいは樹脂製のケース(フレーム)内に一定の角度で取り付けられた気泡管(アルコールやエーテルなどの液体と一つの気泡が封入されたガラス製密閉容器)を利用した水準器である。気泡管には複数の標線(基準線)と呼ばれる線が入っており、物体の一定面にフレームを当てたときに、気泡管の中の気泡の位置が最も内側の標線の間の中央にあれば、その面は水平または鉛直に対して平行であることになる。

被測定物に水準器を置き、それが水平のときには気泡が中心にあります。水準器を同じ場所で180°反転させて置いても気泡は中心にあります。
気泡管の構造は透明なガラス管で真円を作り、その一部を切り出して、この円弧のガラス管に液体と僅かな気体を入れたものを使います。
水準器を製作しているメーカーの技術力はガラス管で正確な円弧を作れるか、また、熱や気圧でガラス管やその中の液体・気体、ガラス管を支える基盤が変化しないように作れるかにあるります。

気泡管水準器の品質ポイント
液体の中にそれより比重の軽い気体(空気)が入ると、気体(空気)は液体より上に動くので、角度の変化によって気泡が変位(移動)し、その気泡の位置を見ることによって水平や傾斜が分かります。

気泡が中心より左側にあれば、測定している床や机が左側が高く、反対に気泡が右側にあれば右側が高くなっています。
フレームに対して取り付けられている気泡管の角度によって、その気泡管で測ることが可能な角度が決まる。一般的には水平と垂直の2本または、水平と垂直に45°を加えた3本の気泡管を備えたものが多いが、土木工事向けに水平と垂直に30°45°60°の気泡管も備えた気泡管が5本のものや、屋根工事向けに気泡管を任意の角度へ可変できるスラント機能付のものも市販されている。

気泡管水準器の角度
気泡水準器、水平器の感度
感度=精度ではありません。
感度とは、「レベルの気泡が動き出すときの水平面(又は垂直面)とレベルのなす最小勾配量(傾斜角)」、つまり 気泡水準器の気泡が動き出すときの傾斜角と移動距離のことです。
具体的には気泡水準器の感度は、傾斜角とガラス管の曲率半径をもとにして1目盛あたりの感度を表し、気泡管の気泡を1目盛変位(移動)させるのに必要な傾斜を底面1000mm(=1m)に対する高さ(mm)、または角度で表すものです。
例えば、感度0.02mm/mの水準器は、1000mm(1m)に対し0.02mmの高さの変位を測定できます。製品には1DIV=0.02mm/Mなどと表記され、1DIVは1目盛あたりの感度を表します。すなわち、1目盛気泡が移動すると、0.02mm/mの高さの変位が分かるということです。

1DIV=0.02mm/Mなどと表記
下図のように、被測定物に水準器(感度0.05mm/m)を置き、気泡が右側に1目盛分移動したとき、被測定物の右側が1000mm(1m)に対し0.05mm高くなっています。
この場合、水準器本体の200mmの長さでは、1/5となるので、200mmに対し0.01mm高くなります。

一般的な機械設置や定盤などの水平出しなどに水準器を使用する場合、サイズ200mm×感度0.05mm/mのものが使いやすいです、精密水準器は感度によって次の表のように種類が三つに区分されています。
水平器の感度はJIS規格によって一種(0.02)、二種(0.05)、三種(0.1)分けられ、一種の0.02とは水平器から1m先で0.02mmの高低差があれば、気泡が1メモリ移動するという感度の高さを表しています。つまりこの数値が小さいほど感度が高くわずかな傾斜でも測れるということです。
区分 | 感度 | |
1種 | 0.02mm/m(約 4秒) | |
2種 | 0.05mm/m(約10秒) | |
3種 | 0.1mm/m(約20秒) |
※秒=1/3600度
また、実際の気泡水準器の感度表示は下記のように表示しています。
気泡水準器、水平器の精度
精度とは、JISZ8103「計測用語」で「計測器が表す値又は測定結果の正確さと精密さ(ばらつきの小さい程度)を含めた総合的な良さ」と定義しています、つまり精度とは測定のバラツキです。
気泡水準器の場合は精度によって、JISではA級とB級に等級が区分され、さらに各メーカーでは、社内規格で製作した一般工作用(普通品)があります。
A級は検査機関などでの精密測定に必要なレベルであり、DIYなどの工作用であればB級でも精度的には十分です。さらに一般工作用があり、DIYであれば特に問題はないです。
精密水準器等級・性能比較表 JIS規格比較表(JIS B7510 精密水準器)
項目 | JIS A級-AA | JIS B級 |
1.指示精度(目盛誤差)
(JIS B7510による規格) |
±0.3目盛
(±0.5目盛) |
±0.6目盛
(±0.7目盛) |
2.底面、側面及び上面の平面度 | 0.003mm | 0.003mm |
3.V溝をもつ平面とV溝とがなす角度 | 0.5目盛 | 0.5目盛 |
4.底面と側面の直角度 | 0.015mm/m | 0.020mm/m |
5.底面と上面とがなす角度 | 0.5目盛 | 0.5目盛 |
※指示精度下段はJISの数値です。
また、実際の気泡水準器の等級表示(精度表示)は下記のように表示しています。
気泡水準器、水平器の標線
気泡水準器、水平器に記してある黒い線を「標線」といい、この本数によって水平のとり方が変化する。
二本 標線
線と線のセンターに気泡がくることで水平を表示。
四本 標線
内側の線と線の中心に気泡があれば水平であり、外側の線の端に気泡が接したときは1/100勾配(1分勾配)を表示。内側は外側の線の間(ピッチ)は2mmです。
五本 標線
間隔が一番広い位置に気泡があれば水平、内側から2本目の線の端に気泡が接したときは1/100勾配(1分勾配)を示し、内側から3本目に達した時に2/100勾配(2分勾配)を示し、各標線はメーカーや機種の表示に従って勾配を確認する。
六本 標線
間隔が一番広い位置に気泡があれば水平、内側から2本目の線の端に気泡が接したときは1/100勾配(1分勾配)を表示、内側から3本目に達した時に2/100勾配(2分勾配)を表示します。
※1/100勾配は1m当たり1cm上がるので1分勾配、2/100勾配は1m当たり2cm上がるので2分勾配といいます。主に、排水管等の設備工事で使われます。
*注意:メーカーや機種によって勾配の表示方法が異なります。
動画 気泡水準器、水平器 使い方動画
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デジタル水平器、水準器
デジタル式水平器は、角度・立上り・割合をデジタル表示します。任意ゼロの設定・解除ができます。気泡管ではなく、ディスプレーに表示される数値や印、または音で水平、垂直を確認できるのが「デジタル水準器」です。
目視による確認ではないので、より正確なチェックができます。またメモリー機能では任意の角度を記憶し、同じ角度を簡単にチェックできるなど、デジタルならではの多機能な性能が使えます。
下の動画はシンワ測定の「ブルーレベル Pro 2 デジタル」です、このデジタル水準器は、ブザー音で知らせてくれるのも特徴で、気泡管やディスプレーが見られない状況で役立ちます。例えば、長い材料の水平をチェックするとき、端は固定でもう一方を上下させる場合、材料のセンターにデジタル水準器を置き、水平位置でブザーが鳴るので、ディスプレーを見なくても分かります。
ただし、乾電池などが必要とすることと、防水になっていないものも少なくないので屋外作業の際には気をつけなくてはいけません。また、価格が気泡管タイプの水平器に比べると比較的高めです。
動画 デジタル水平器、水準器の使い方
【シンワ測定】ブルーレベル Pro 2 デジタル プロモーション用動画
●傷や汚れを防ぐ取り外し可能な気泡管カバー付です。万が一、汚れたときはカバーの水洗いができます。※本体は防水構造ではありません。
●必要に応じて水平の調整が可能です。※ご自身で精度調整を行なった場合は、保証の対象外となります。なお、垂直気泡管、45°気泡管は調整できません。
●全気泡管±1.0mm/mと高精度を実現しました。
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レーザービーム付き水平器、水準器
角筒形の水準器にレーザーポインターを内蔵したもの。可視光レーザー光線を発し、水準器より離れた位置に在る対象物に照射することで水平や高さを目で見て確認できる。水準儀(望遠鏡レベル)や墨出器と比べて精度は低い。
通常の水平器のように気泡管で水平を取りながらレーザーを使用すると測定している面だけでなく離れた場所の水平を出すこともOK。
具体的にはステレオスピーカーを離して壁に設置する際など、レーザービームを使用すれば簡単に正確に同じ高さに揃えて設置することが可能です。
またレーザーによって目視で水平が確認できるのでブロックやレンガなどを積む際にとても便利です、レーザーをポイントで照射するだけでなくラインで照射できるものもあり、壁紙などを真っすぐにに貼りたいという時に活用できます。
下記の動画は【シンワ測定】レーザービームレベル2 です。
レーザービームレベル2は、レベルから照射されるレーザーポイントの位置を確認して、素早く高さ合わせや水平確認をすることができます。
*離れた場所の水平出し
離れた場所の水平・勾配を屋外10m、屋内30mまでレーザーポイントで指示できます。
レーザーポイントは測定基準面から15mm上の位置に照射されるので、気泡管を水平に合わせ、照射ポイントの15mm下を確認することで離れた位置の水平出しが可能です。
*置いた時だけ照射
電源スイッチを入れると、底面の接触センサーが測定面に触れたときだけレーザー光が照射される安全設計です。
レーザー照射に連動して、水平気泡管のLEDが明るく点灯し、レーザー光が出ていることが一目でわかります。

【シンワ測定】レーザービームレベル2
動画 レーザービーム付き水平器、水準器
【シンワ測定】レーザービームレベル2 プロモーション用動画
*勾配測定1/50勾配、1/100勾配を確認可能な勾配測定目盛付の気泡管です。
*360°基準だし別売の「回転台 レーザービームレベル用」に取り付けることで360°回転可能になります。
レーザー墨出し器のように規準出しにも使用できます。
*選べる2サイズサイズは300mm、450mm、それぞれマグネットなしと、鉄骨工事に便利なマグネット付がございます。
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【シンワ測定】レーザービームレベル2
レーザーポインター付水平器
コンクリートやブロック、レンガなどの積み上げ作業時の水平器出しに使用できます。
レーザー照射時は水平気泡管が点灯します。
丸型水平器、水準器
気泡管部分だけを取り出したような形をしているのが丸型水平器です。広い面の水平を大まかに確認したいときはこれで360°の傾きを測定することが可能です。主に機械などにネジ止めした使用するものですがこれを単体で使ってもOK。カメラの三脚などについていることもあります。
単体の水準器としての用途は少なく、測量器械の整準上盤、ポールや標尺、測距プリズム、はかり(質量計)、映写機、プロジェクター、撮影用三脚や雲台、方位コンパス、折りたたみ式の作業台やスポーツ器具などに組み込まれている例が多い。
これを一つずつ置いていけば、どの場所に歪みがあるか分かり労力も減らせます。また、水平の場所で使う機器があるような場合、両面テープでこれを貼り付けておけば、水平かどうかがすぐに分かります、このように、広い場所の測定や機器に取り付けるなら、丸型の水平器が便利です。

丸型水平器、水準器
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小型水平器、水平器
ポケットサイズの水平器です。精度はあまり期待できませんが、額やインテリアなどのちょっとした物の水平を測ったり、三脚などに取り付けたデジタルカメラやビデオカメラなどの水平が出ているのか素早く確認するのに役立ちます。

水平くんプラス
おすすめ 丸型水平器、水準器
アカツキ製作所 (Kod) 携帯気泡管水平器 水平くんプラス
■KOD 水平くんプラス 〔品番:SU-WR〕[TR-2000928]
傾斜計、勾配計、指針型水平器、スラントレベル
指針の逆側に重りを取り付け、指針の軸芯が回転し重力方向に作用したとき、指針が水平・垂直・勾配を示します。
別名、勾配計、指針型水平器およびスラントレベルと呼ばれています。
傾斜角度の確認作業に使用する道具です。
傾斜面の傾きの角度を測定します。
一口に傾斜計、勾配計といっても様々な材質・形状の物がありますので、用途に合わせて最適な物を選んでください、マグネット付タイプは鉄骨構造物に重宝します。
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水準器、水平器 スマホ アプリ
iPhone(アイフォーン)用 水準器、水平器アプリ
手元に水平器がなくても、スマートフォンがiPhoneであれば、水平器機能が内蔵されています。アプリ「水平器&水準器」です、App Storeリンクはこちら。アプリ「水平器&水準器」
アプリの中に傾きや水平を計測することのできる水平器機能が内蔵されています。
アプリを起動すると、棒水準器と円水準器が組み合わさった気泡式の水準器の画面が表示される。X軸とY軸それぞれに対しての傾きが表示されるので、iPhoneが現在どれだけ傾いているか把握できる。気泡が中央に来るよう傾けることで、水平な状態を知ることができる仕組みだ。気泡の動きもなめらかで、本物の水準器を使っている感覚に近い。

アプリ「水平器&水準器」
android(アンドロイド)用 水準器、水平器アプリ
android(アンドロイド)用 水準器、水平器アプリとして上記のアプリ「水平器&水準器」が無料でダウンロードできる。
Google Playリンクはこちら。アプリ「水平器&水準器」
動画 アプリ「水平器&水準器」
水平器&水準器アプリ紹介動画です。
水盛管
「みずもりかん」ゴム管(ゴムホース)の両端に数十センチ程度の長さの透明ガラス管を接続したものまたは、全体が透明なビニールホースをU字形に保持し水を入れた水準器。
途中に気泡が入らないように水を満たせば両端の液面は必ず水平になることを利用して離れた2点間の水準(高差)を求めたり確認に用いる。ゴム管やガラス管が市販されるようになった。

水盛管の原理
明治時代中期ごろから使われ始めた。使用にはホースの端を保持し、液面を視準するために二人必要になるが、片側に縦長バケツや液面合致をブザーで知らせる電子水盛管を取り付けた製品も発売されており、これらを用いれば一人作業も可能である。構造はホースが主であり安価で取り扱いが簡単な割に精度が高い。
現代では精度の高い気泡管水準器や水準儀(望遠鏡レベル)が普及しているが、測点が数メートル以上離れていたり測点が平面ではない場合は気泡管水準器を用いるのは困難であるし、測点間の見通しが他物で遮られていたり測量器械用三脚を据え付けるスペースを確保できなければ水準儀を用いるのも不可能であり、このような状況では水盛管が多用されている。
おすすめ シンワ測定 電子水もり管 A 15m
用途
遠距離や天井の水平を音で確認する水もり管。吊り天井・基礎・造園・地ならし・フェンスなどに使用。
特長
ホースが15mと長く、ブザーで水平を知らせるので一人で作業可能。狭い場所でも使いやすいコンパクトサイズ。ホース洗浄ブラシ付。基準線の所だけ音が変わるので、正確に位置を合わせやすい。本体側の水位が見えるので、水平が合っているのか確認可能。
シンワ測定 電子水もり管 A 15mホース付 76644 B
動画 水盛管の使い方
自作 盛管の作り方と使い方をお伝えします。