ハンマードリルの使い方
ハンマードリルの使い方① キリ(ビット)の取り付け
怪我、事故を防止する為に電源を抜いた状態でキリ(ビット)の付け替えを行ってください。
作業内容に応じてビット種類を選び、取り付けます。
ハンマードリルの保持
電源を入れ、ハンドルおよびサイドハンドルを両手でしっかりと保持した上で、動作を開始します。加工を行いたい箇所にビットの先端を当て、軸がズレることを防ぐため軽く押し当てるようにしながら掘り進めます、 ハンマードリルは振動ドリルと違い、打撃力が十分強力なので押し付ける力がごくわずかでも掘り進めることができます。強く押し当て過ぎると作業効率を下げてしまうので注意しましょう。
ハンマードリルの使い方② 切削屑の清掃
ハンマードリルによる穴あけやハツリの際には、切削屑や粉塵が大量に発生するものです。切削によって生じた穴の内部にこれらのごみが溜まり、徐々に切削の妨げとなっていきます。ハンマードリルの進みが悪くなったように感じたら一旦作業を止め、切削穴の内部を清掃しましょう。
使用後は掃除機で清掃か、モータを無負荷で回転させ内部のゴミや埃を排出させましょう但し、水洗いは厳禁です。
切削屑を自動で集塵するタイプの集じん式ハンマードリルも販売されています、作業性および信頼性が向上しますのでプロの方には必須のアイテムです。
又、後付タイプの集じんシステムも販売されています。

集じんシステム
おすすめ マキタ(Makita) 集じんシステムDX01
モデルNo.:DX01、ダストケース・交換用フィルタ付
適用モデル:HR242D・HR244D
集じん容量:300mL
最大ビット径:24mm
ハンマードリルの使い方③ メンテナンス
コンクリートのはつり・穴開けに使用する電動工具は、削粉や塵によるトラブルが起きやすいので、日々清掃とメンテナンスが大切です。
特に見落としがちなのは本体のモータ部分にあるカーボンブラシです、摩耗が大きくなるとモータを傷めるので早めの交換をしましょう。
ハンマードリル 安全対策
粉塵や切削屑が飛び散るため、作業者は防護メガネ、マスク、作業用手袋などを着用します。
また作業を終えた直後のビット部分は熱を持っています。不用意に素手で触れると火傷を起こすおそれがあるため、作業後はしばらくハンマードリルを放置してビットを冷却します、この時、誤作動を防ぐため作業が終わったらすぐに電源を抜いて置きます。

防護メガネ、マスク、作業用手袋 着用
ハンマードリルの故障修理
ハンマードリル等の電動工具の共通する故障事例、原因についてご紹介します。
ハンマードリル等の電動工具の故障で多いのは異物、ゴミによる接触不良、異音等です。一度、分解掃除するのが一番、簡単な修理方法です。廃棄する前に一度、試してみてください。又、ハンマードリル用修理部品もネット販売もされているので劣化した部品等の交換を自分で行えば安く修理が可能です。但し、分解は自己責任でお願いします。
ハンマードリル 充電式パワーがでない
充電式ハンマードリルでよくある発生する故障です、使用する頻度が少ないと、バッテリーは劣化してしまうことがあります。この場合は、バッテリーを交換するしかありません。
対策としては下記のように注意して使用してください。
バッテリー過充電防止
バッテリーを使い切ったら充電。パワーがガクツと落ちた時です。まだあるのに継ぎ足すような充電をくり返すと、かえってフル充電できなくなることがありよす。こうなったバッテリーはいったん使い切り、改めて充電します。
過充電もバッテリーにダメージを与えます。充電器は充電時間が過ぎても止まらないものが多いので、その場合は炊飯器などに使うタイマーを接続しておけば安心です。 60分タイマーでピピピと鳴らすのもよいでしょう。
バッテリーの消耗度合いは作業ペースによって幅があります。休みなくネジ締めを続けると1時間、合間があれば半日は持ちます。必要に応じてスペアバッテリーを用意するのもよい方法です。
おすすめ パナソニック ダイヤルタイマー
タイマー(11時間形)
コードの長さ 1m
個装寸法 高さ180×幅90×奥行73mm
質量 240g
ホワイト
ハンマードリル カーボンブラシ摩耗
モーターに電気を送る「カーボンブラシ」の摩耗の原因によるパワー劣化も多いです、カーボンブラシは消耗品ですので徐々に摩耗してきます。定期的に点検して交換目安である限界摩耗線に近づいてきたら交換してください。
点検、交換方法は取扱い説明書に記載されています。
カーボンブラシ種類
カーボンブラシには番号(№)があり、電動工具によってカーボンブラシ違います。
カーボンブラシの番号はカーボンブラシに刻印されております。
ハンマードリル モーター劣化
バッテリーやカーボンブラシを交換してもパワーが回復しない場合は、モーターそのものの原因が推定されます、自分ではメンテナンスが難しい方はサービスセンターに相談してください。
ハンマードリルでモーターが劣化する原因の大半は異常使用です。下記のように正しく使用してください。
モーター劣化防止
トルクの低いハンマードリルで負荷のかかる斫り作業をするとモーターに大きな負担がかかります。モーターに大きな負荷がかかるので煙がでたり途中で止まってしまうこともあります。決められた連続作業時間を超えたり、モーターに負荷をかけすぎると故障の原因にもなりますので無理な「荷が重過ぎる」作業はしないでください。
ハンマードリル 電気系の導通不良
全く動かない場合の原因としては電源スイッチの異物付着による接触不良、ヒューズ切れなどが要因です。自分で修理するのは困難な方はメーカーサービスなどに修理を依頼します。
ハンマードリル 故障事例①
高温ランプ点灯して時々、動作せず。
原因:電気系の接触不良と推定される。
内部を分解してバッテーリとの接続回路のコネクタ部の汚れを除去し、再度 接続。
*ハンマードリルは粉塵が発生するので本体に粉塵が入り易く、それが電気系の接触不良を発生しやすい。

電気系の接触不良
ハンマードリル 異音が発生
モーター部など機械内部から異音がしたり、変な臭いがする場合は直ちに使用を中止して下さい。そのまま使用すると発火、発煙の恐れがあります。サービスセンターなどに修理を依頼しましょう。一度クリーニングし、再度作動させてみてください。
分解できるかたは内部のギヤの破損およびベアリング摩耗、グリス劣化を点検してみて下さい。
まとめ
ハンマードリルを上手に使用すれば斫り作業が楽に行え、非常に便利な工具ですが粉塵、ゴミが工具内部に侵入しやすいので使用後のメンテナンスを怠ると1年も持たない場合がありますので購入した取扱い説明書を良く読んでください。
特に中国製の価格が安い商品は信頼性が低いです、『安物買いの銭失い』にならないよう良く吟味してください。
又、対象物の材質(セメント・コンクリート・タイルなど)により、ドリル刃先の形状が異なりますので材質に適したドリル刃先を選んで下さい。
関連記事:電動工具の選び方、使い方、手入れ【図解】
*ドリル系電動工具の共通な内容は下記の記事に詳細に記載しています。
*更に詳細の内容の記事が下記の本に記載されています。
参考文献:
1.DIY工具選びと使い方 著者:青山元男 ナツメ社
2.DIY 道具の便利手帳 監修:西沢正和 大泉書店
3.電動工具 徹底利用術 著者:荒井 章