接地抵抗計の原理、使い方
接地抵抗計は、先端に端子の付いた3本のコードを本体に接続して使います。測定対象に合った接地抵抗計を使用してください。
測定を行う前にOΩを測定した際にきちんとOΩと測定されるよう調整を行います。との作業をゼロ点調整(ゼロアジャスト)と呼びます。設定の方法は機器によって異なりますが、OΩの状態は3本のコードをお互いに接触させることで実現できます。
接地抵抗の測定にあたっては、測定を行う接地極と、そこから一直線上に位置する2つの補助接地極を接地抵抗計の3つの端子と接続して、表示される値を読み取ります。ここで接地極とは、電気機器を大地とつなぐための電極のことをいい、多くの場合、地面に埋没させます。
補助接地極は設定抵抗を測定するために設置された電極になります。床面がコンクリートなどのため、補助接地極が設置できない場合などには、接地抵抗計の端子のうちの2本を短絡させ、それを建物の鉄骨に接続する簡易測定が行われる場合もあります。
接地抵抗計の原理~電気設備の点検での測定
接地工事の実施時だけでなく、電気設備の点検でも接地抵抗の測定を実施します。点検における測定は接地端子盤から行われるのが一般的です。
接地端子盤とは、接地端子が中継されてひとつにまとまった箱であり、1箇所で各箇所の接地抵抗値を測定することができます。
洗濯機、電子レンジ、電気温水器等200V機器などは、大地に接地するアースが必要であり、アースの接地抵抗値の測定が必要です。
大地に接した電極と大地間の抵抗に接地抵抗計で測ることができます。
接地抵抗計は下図のように、接地電極Eと電極C間に交流電流を流し、補助電極Pの電圧Vを測定することで抵抗値を求めます。
R=V/I(電極間距離:5~10m)
接地抵抗はD種と呼ばれる区分で100Ω以下と決められています。
簡易接地抵抗計での測定
写真はペン型の簡易接地抵抗計で、デジタル表示です。
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図は測定の方法を示していますがこれは簡易的な方法で2端子法とも呼ばれています。この方法は、近くにB種接地(柱上トランスの2次側接地)のような既知の低接地抵抗reがある場合
にRxとre間に電流Iを流します。Rxとreは2端子間の電圧Vから
Rx+re=V/I で求められます。
接地抵抗計の表示ReはRx+reなので求めるRxは、表示値からreを引いた値です。
ベランダ手摺の簡易接地抵抗の測定
ベランダ手摺の簡易接地抵抗の測定方法を解説します。
ACコンセントのアース端子は、建物の鉄骨と導通しているので下図に示すようにベランダの手すりとの間の抵抗値をテスターで測ります。
簡易的な方法です手摺が建物の鉄骨につなかっていれば100Ω以下になります。
動画 接地抵抗計の使い方、測定
動画 接地抵抗計 測定の原理
動画 アーステスターで電柱の接地抵抗を測定
動画 コンセント 簡易型接地抵抗計測定 KEW4300
接地抵抗計の校正周期、時期、価格
接地抵抗計の測定結果に正確性を求めるなら、定期的に校正が必要になる。接地抵抗計の校正とは、安定して一定の物理量を出すことができる機器と比較しながら、正しい測定結果を出せるように接地抵抗計を調整していくことです。
取扱説明書などでは、年に1回の校正が推奨されていることが多い、 校正用標準器(標準校正器ともいう)を使った校正は、それぞれのテスターのメーカーのほか、専門の業者で校正を受けることができる。
ただし、校正料金は安くても数千円はかかる。安価な接地抵抗計だと、買い替えたほうが良い。
但し、そんなに簡単に接地抵抗計が狂うものではない。仕事や研究に接地抵抗計を使用し、正確な測定が求められるのなら、定期的な校正は欠かせない。
しかし、電子工作など普通の人が使うのであれば、校正を受けなくても大きな問題はない。
まとめ
接地抵抗計は、電気工事、電気保守関係の現場では必須の測定器です、種類も非常に多いので、各メーカのホームページ、カタログ等を確認した上で、測定の目的にあった最適な接地抵抗計を選ぶことが重要です。
又、中古品の接地抵抗計場合でも日本製は信頼性が高いのでトラブルは少なく信頼できます。
参考文献:電気工事の工具が一番わかる (しくみ図解) 松本 光春 (著)
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