半田小手先の選び方、手入れ、交換、おすすめ【図解】
初心者、女性向けの半田小手先の入門ガイドとして下記のポイントをメインに解説しています。
・半田小手先の温度調整、設定
・半田小手先のおすすめネット通販商品
・半田ごて小手先 手入れ
・半田こて先端 交換
DIY電子工作のご参考になれば幸いです。(^_^;)
半田ごて こて先の本体であるはんだゴテについては下記の記事を参照願います。
関連記事:
動画 半田コテ こて先の選び方
はんだこて先 はんだ付チップとは?
半田ごての先端に取り付けられている金属性の棒状の事。形状は半田付する用途により色々な種類がある。
この部分を電気熱等を使用して加熱し、半田を溶かして半田付する非常に重要な部品。
適切なこて先サイズ選定
こて先のサイズは、ワークに接触する面積に影響します。いかに効率良く熱をワークに伝えるかは、その接触面積で決定されます。
ワークに対して最適なサイズ(太さ)を選定すると以下のような利点が得られ、「はんだ付け作業が向上します。
1.ワークに効率良く、熱が伝導されるのではんだがぬれやすくなる。
2.はんだがぬれやすくなると、設定温度を低く抑えられることが可能です。
3.設定温度が低いと、こて先の劣化を防止でき、こて先の寿命が長くなります。
図 | 内容 | 評価 |
ワークより小さいサイズは、こて先の熱がうまく伝わりません。ランドより小さいと、こて先の熱が効率よくワークに伝わらず、はんだがぬれるに充分な熱量をワークに伝えるためには作業時間が長くなります。 ※温度ドロップが一番小さいのは、効率良くワークに伝えることができないためです。 |
小さすぎ
NG |
|
ワークにピッタリだとこて先の熱が効率よく伝わります。ランドにぴったりだと、はんだがぬれるに充分な熱量を伝えるため、温度ドロップが大きくなります。 しかし、熱復帰率の良いはんだこてを使用すると、設定温度まで復帰する時間が早く結果的にはんだ付け作業時間の短縮も可能となります。 |
GOOD | |
ワークより大きいサイズは使用しないでください。 基板を傷つける可能性があります。 |
大きすぎ
NG |
蓄熱量の多いものを選ぶ
同じこて先サイズでも、蓄熱量が違う。
右の写真のこて先は全体的に大きいことがわかります。これが蓄熱量の差となって、はんだ付け環境の向上に貢献します。
蓄熱量 少ない | 蓄熱量 大きい |
![]() |
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同じサイズでも可能なかぎり蓄熱量の高いこて先を選定しすることし、その後、狭いピッチであるなどの様々な条件を検討して少しずつサイズを落す。
こて先の形状 選ぶ
代表的なこて先の形状と用途を表1に示しました、これらの形状ごとに太さの異なるものがあり、たとえばC形なら、太さによって1C(太さ1mm)、2C(太さ2mm)、3C(太さ3mm)といった具合に名前が付けられています。
表1
はんだコテ先 先端の劣化、交換
コテ先は、使い続けると必ず酸化したり劣化してしまいます。
酸化の最大の要因は、こて先温度の高すぎです。こて先が酸化してしまうと、黒や紫の酸化膜で覆われてしまい、はんだをはじいてしまいます。
また、通常は鉄鍍金で覆われているコテ先の銅棒から、半田付けの際に銅成分が溶け出しヘコンだりやせてしまうのが「食われ」と呼ぶ劣化です(鉛フリーはんだでよく起こります)。
また、銅棒に施されている鉄やはんだの鍍金が消失してしまう劣化もあります。
さらに、高温のコテ先を水などに浸けて急冷した時に起こるヒートショックも劣化の原因になります。
酸化や劣化したこて先は、早めに交換しなければ適性な半田付けは行えません。
半田こて先 先端の交換手順
電源をOFF
電源を入れたままヒーターを露出すると、大気中に放熱するため、ヒーターが赤くなるほど過することがあって火傷の恐れがあります。
ナット外す
プライヤーやペンチで袋ナットを緩め、外します。
袋ナットは高温に熱せられているので、直接、手で触れないように注意します。
保護パイプ外す
保護パイプをラジオペンチで挟んで外します。
保護パイプも高温に熱せられているので、直接触れないように注意します。
こて先 先端を交換
こて先を新品のものと交換します。
外した時と逆の手順で、保護パイプを挿し込み、袋ナットでしっかり締めます。
袋ナットを締め付けすぎるとヒーター が割れてしまうので、軽く締める程度
にしておきます。
半田こて先の構造
半田ごてのこて先は、ヒーターの熱を蓄積やすく、母材に熱を送りやすいように、熱伝導率の良い銅棒が使用されています。
しかし、銅ははんだに浸食されやすいため、浸食防止のためにこて先の表面は鉄でメッキされています。そしてさらに、先端部分ははんだ付け特性を高めるために半田メッキが施されています(半田メッキといっても、鉛の含有率の少ない錫メッキです)。先端以外の部分には、クロム鍍金が施されています。
メッキは、はんだ付けの作業性をあげるためと劣化を防ぐためのものですから、汚れたからといってやすりで磨いたりするとメッキが損なわれてしまい、かえって劣化を早めることになるので絶対にやってはいけません。劣化したこて先は早めに交換しましょう。
おすすめ 半田こて先 メーカー 2選
白光 こて先
世界品質のはんだこてとその周辺機器を製造、販売。最新エレクトロニクスからホビー・クラフトまではんだこてとその周辺機器をお客様に提供。
太洋電機産業(goot) はんだゴテ先
広島県福山市に本社を置く、はんだごて及びはんだ付け関連製品を製造・販売する会社。
まとめ
はんだゴテ先の選び方、手入れ等について解説しました、いかに高価なはんだごてを購入しても半田付けの接点であるはんだごて先が酸化、摩耗していては正しく半田付けできません。
品質、作業性を向上させるためにも適正なはんだゴテ先を選定して、メンテナンスしてください。
又、下記の記事も参照願いします。
*半田こて先の選び方、使い方、手入れについては下記の文献に更に詳細な内容が記載されています。
参考文献:
1.はんだ付けのおはなし 著者:大澤直 日本規格協会
2.はんだ付けの職人技 著者:野瀬昌治 技術評論社
3.見ればわかる!正統派のはんだ付け[動画DVD付き](SP No.129) (トランジスタ技術SPECIAL)
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