研磨研削系電動工具の選び方、使い方、おすすめ、手入れ【図解】

研磨、研削系電動工具の基礎知識 電動工具

研磨、研削、切削の違い

「研(と)ぐ」とは、砥石やサンドペーパーを使つて削ること。そして面を滑らかに整えたりツヤを出すのが「磨く」加工です。手では大変な作業も、電動工具ならラクに仕上かります。さらに、きれいに研ぎ上げるために、グラインダーやサンダーがあります。

 

作業現場や力タログでは「研ぐ」「磨く」加工を、それぞれ[研削]「研磨」と呼んでいます。「研削」は砥石やグラインダーで、決まった形に削り出す加工。感覚としては、研ぎ減らすイメージです。そして「研磨」はサンドペーパーやサンダーで、表面を平滑に整える加工です。どちらも砥粒(とりゅう。砂粒のような細かい研削材)で削るので、切りクズは粉状になります。これらの加工は似ていて、削る量の違いとも言えます。よってその境目は厳密ではありません。

もうひとつ似た用語に「切削」があります。これは電気カンナなどの「刃物」で、すくい取るように細かく切りながら削ることです。切りクズは平たいフレーク状です。これは加工の作用が違うので、研削・研磨とは区別しています。

研磨、研削、切削の違い

 

研磨、研削系電動工具の種類

電動工具の性質を知るには、材料に対する動き方を比べるのがわかりやすいでしょう。図はそれを示したものです。本工用では、材料に密着させて研磨する方式が主です。すでにカンナがけされた木材の表面に適した研磨方法です。
「オービタルサンダー」はパッドにごく小さな回転運動を与えています。平面が保て、研ぎキズも少ないので仕上げ研磨用です。難点は切りクズの排出性が悪いこと。

「ランダムサンダー」は図のような2つの回転運動を組み合わせて、それを解決したもの。研ぎ速度が高くなり、荒研ぎから仕上げまでをこなします。

「ベルトサンダー」は研磨布を一方向に送るしくみで、速くて強力な荒研ぎに適します。研磨と研削の中間的な作用です。
金属加工では固い金属材料の、とがったバリを取ることも多いので、研削も重要な加工です。材料に密着させるよりも、部分的に当てる方法が多くなります。「ディスクグラインダー」は研削砥石を回転させるしくみ。円周が研削の刃となる部分なので、斜めに当てて研削します。

「ディスクサンダー」は、パッドの弾力を活かした研磨です。同じ回転運動をするものとして、「ポリッシャー」があります。バフなどの布を装着して、塗装面のツヤ出し作業に使われます。

研磨、研削系電動工具の種類

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 正確な研削、研磨仕上げ方法

研削作業は、削る量を決めてから加工しています。出っぱったバリがなくなるまでとか、縁から2mmだけ削るなどの目安があります。ケガキ線を引くこともあるでしょう。

ところが研磨となると「滑らかになるまで」という具合で、量がはっきりしません。また電動工具をガイドする定規もありません。加工前の凸凹面が基準で、そこから手加減で平均に研ぐ作業です。すり減らす量が多ければ、材料の形が狂いやすくなります。とくに目の細かい研磨布を付けた工具で1mm以上研いだ場合、表面はきれいであっても形はダレて歪んでしまいます。
正確な仕上げのためには、荒研ぎと仕上げを区別しましょう。ランダムサンダーであれば、目の粗いペーパーを付けて均一に荒研ぎしてから平面を確かめます。
粗いほうが、研ぎ具合をはっきりつかめます。研ぎしろは0.3mm程度を残し、これが基準面になります。この残りを、目の細かいペーパーで仕上げます。仕上げをオービタルサンダーに代えれば、さらに滑らかです。

また平面の密着もよく、仕上げ用に適します。
このように、研磨材の粗さによって区別をしたり、工具の使い分けをまめに行うことが、正確な仕上げにつながります。

荒研ぎと仕上げ

研削砥石の自生作用

ディスクグラインダーや卓上グラインダーに使われる「研削砥石」は、切れ味が長持ちする優れた研削材です。図のように砥粒、結合剤、気孔から成り立っています。「砥粒」は固くとがった粒で、ひと粒ひと粒が刃物の役目をしています。
研削していると、これが材料に当りながら取れて、新しい砥粒が次々と表面に現れてきます。これが「自生作用」です。刃物なら切れ味が落ちるところですが、研削砥石は最後まで持続します。これに似たサンドペーパーの場合は、砥粒の層が薄く、持続性は限られています。「結合剤」は砥粒を固める接着剤で、結合の強さが自生作用の度合いを決めています。
「気孔」は切りクズの逃げ場となる空間です。切りクズはいったんここに捕らえられて排出されます。また発熱を防ぐ働きもあります。
しかし気孔の容量よりも多く入り込むと、目詰まりしてしまいます。研削砥石を材料に強く押し付けて使うのは、自生作用と気孔の働きを殺すことになります。能率も上がりません。軽く当てるのが基本です。

研削砥石の自生作用

 

研削材、研磨材の選び方

切れ味やきれいな仕上げのためには、材料に合った砥粒を選ぶことが大切です。研削材や研磨材の製品には、砥粒の種類が記号で表示されています。また「金属用」「ステンレス用」など、パッケージの表示を目安にしてもよいでしょう。

研削材、研磨材の種類

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電動研磨研削工具 アクセサリー

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* 研磨、研削工具の選び方、使い方、手入れについては下記の文献に更に詳細な内容が記載されています。

参考文献:
1.DIY工具選びと使い方 著者:青山元男 ナツメ社
2.DIY 道具の便利手帳 監修:西沢正和 大泉書店
3.電動工具 徹底利用術 著者:荒井 章