トリマーの正しい選び方、使い方、手入れ

工具 トリマ-イラスト

トリマ の使い方

トリマ ビット交換と切削深さ調節

トリマーで切削する操作は、取り付けるビットやガイドの種類によって、かなり変わります。そこで、操作は後の「使い方」で種類ごとに解説することとし、ここでは代わりに、切削前に必要な「ビット交換」と「調節」を見ます。

ビット交換では、まず電源プラグを抜いてから、ベースを外して本体を取り出します。コレットチャツクは、六角ナット2個の締め合わせです。それぞれのナットにレンチをかけて緩めれば、ビットは抜けます。スピンドルロツクが付いたタイプでは、ピンを押して「回転止め」にし、レンチでナットを緩めます。

ビットを固定する時は15mm以上くわえさせ、振れ回りを防ぎます。またビットがない状態で締め付けるのは、中のコレットコーンを歪めるもとになります。

次にベースを取り付けて、「切削深さ」を調節します。これはベースから突き出すビットの量です。ベースの固定ネジを緩めて、本体を作業台に立てます。この時のベース位置を目盛りで読みます。

そこをゼロとして、必要な深さの目盛りまでベースをスライドさせて固定します。実際には足し算するか、または目盛りを数えることになります。
出番が多いストレートビットなどでは、幅の広いスチール尺で直読しても構いません。

トリマ― ビット交換

トリマ コロ付ビットでの飾り面取り加工

飾り面取り」はトリマーの代表的な加工です。図のような複雑な断面形状も「コロ付き
ビット」で1回に切削できます。これを例に削ってみましょう。

トリマ― コロ付 ギンナンビット
トリマーでの加工は「ならい切削」が基本です。これは定規をたどって刃を送ることを言います。この場合、板の端が定規で、コロは定規をたどるガイドです。板に対しては、常に密着させることが大切になります。 トリマーは図のように片手で本体をつかみます。

下へ押し付ける力7割、ヨコヘ進む力3割の配分です。ジグソーの要領とやや似ています。
面取りの場合は、ベースが半分しか板に載らないので傾きやすく、もう片手を添えて補うのもよい方法です。

ベースの端を板に置いてから、スイッチを入れます。起動の際の反動に備えるためです。そしてビットを板にゆっくり近づけます。ややヨコに進み、コロが本端に届いたら、そのままコロを当てて、ゆっくり一定の速さで進みます。

進む方向は、刃が切りクズを出す側です。言い換えれば、回転するビットが、下から材料をすくい上げる削り方です。こうしている限り、安定して切削できます。逆向きでは、板にかじりついてあばれます。本体がはねたり、板が飛ばされるので避けます。結果として外周は左回り、内周は右回りになります。

トリマ― コロ付 ギンナンビット2

トリマ ガイドでの飾り面取り加工

コロが付いたガイドは「トリマ ガイド」です。コロの位置を工夫すれば、既製ビットだけではできない断面形状も可能です。当然ながら、ビットはコロのないものを選びます。図はサジ面ビットで削った断面形状です。

トリマーガイドでの飾り面取り加工2
実際のトリマーガイドはもっと複雑な形で、下の図のようになっています。これを取り付けて調節することは、切削時の「刃物の位置関係」を構築していく作業です。

ひとつずつ正確に設定して、積み上げていく気持ちが大切です。取り付け・調節の手順は(1)ビットの深さを調節する、

(2)トリマ-ガイドを付けて、コロの高さを調節する、

(3)コロのヨコ方向の位置を固定する、の順です。
これは本体を幹に例えれば、枝先へ向かう順になります。
ビットの深さは切削形状の基準になります。正確に調節したら、次はコロの高さを決めます。木端の「ならい面」は切削面のすぐ下に設定することが多いでしょう。ここにコロを合わせます。多くの場合は、単にビット先から1mm離した位置でコロを固定します。本体はやりやすい向きにして作業してください。

次にコロのヨコ方向を調節します。これは「ならい面」から奥の、板の削り量を設定することになります。コロの固定ネジを緩め、調整ネジでコロとビットとの間隔を決めます。一方で、ビットの切削能力はビット径(軸径ではなく、刃の部分の径)の半分が限界です。これより多い時は、2回に分けて削ったほうが安全で滑らかにできます。位置決めしたら、固定ネジを締めてセット完了です。

トリマーガイドでの飾り面取り加工
トリマーの進め方は上記「コロ付ビットでの飾り面取り加工 」とほぼ同じ要領になります。違う点は、ビットの回転中心とコロが離れていることです。そのため、曲線をたどる時は、ジグソーのように、本体の向きも曲線に付き合っていかなければなりません。とくに小さな曲線では、削り量が変化しやすいので気を付けましょう。

面取りが板の外周にわたる場合、ひと回りした後で、もとの断面と一致しないことがあります。たいがいは固定ネジの緩みか、またはベースの密着不足が原因です。逆に、これらに気を付けるのがコツとも言えます。

トリマーガイドでの飾り面取り加工3

トリマ ストレートガイドでの溝切り

トリマー-ストレートガイド 溝切り「ストレートガイド」は板の端に平面板を当てて使うガイドです。広いガイド面で、安定した「ならい切削」ができます。また調節の幅が大きいので、板の端から離れた平行溝でも切れます。
図のような溝を加工してみましょう。

まず「通し溝」を切ってみます。ビットは「ストレートビット」を選んでチャツクに取り付けます。この場合、一度に削れる深さはビット径の半分程度が目安です。このビットに対して、ガイド面を設定します。

板の端から溝までの寸法を当てはめて、ストレートガイドを固定します。こうして調節ができたら、ストレートガイドとベースを板に当ててスイッチON。ビットは板の外です。回転が上がったら、ビットを板に当ててゆっくり切ります。進める速さはビッ卜の回転が落ちない程度です。この場合、刃の幅いっぱいを使っているので、進む方向は左右どちらでも自由です。ガイドが板から離れないようにしっかり保持しましょう。ビットが板を通過したらスイッチを切ります。

次に「止まり溝」。これは切り始めが重要です。切り始め箇所の真上にビットがくるように構え、ストレートガイドを板に当ててスイッチを入れます。そしてビットを降ろし、ベースが当たるまで穴をあけます。これをstrong>「プランジング」と言います。そのまま溝を切っていき、切り終わりはスイッチを切ってからビットを抜きます。ビットが回ったままでは、余計な部分まで切ってしまいます。

溝幅を広げる場合は、ならい面より遠い側から始めます。そして順にストレートガイドの調節幅を狭めていけば、安定した切削ができます。この時は、刃が板をすくいながら切る方向に送ります。

トリマー-ストレートガイド 使い方

トリマ フェンスでの溝切り

今度は板の外形に関係なく、真ん中に溝を掘る場合です。直線部分はベースをフェンスに当てて切削します。フェンスは、真っすぐであれば端材で充分です。

トリマー-ストレートガイド 溝切り

まず溝を墨付けして、そこから幅を取ってフェンスの位置決めをします。幅は、刃の外側面と、ベース端部の間の距離と同じです。この寸法で溝の外側に平行線を引きます。ベースは長方形になっていることが多いので注意しましょう。線に合わせてフェンスをクランプ止めにします。これで準備ができました。

トリマー フェンス 位置決め
正確に寸法を移すのは気を使うものです。代わりに、直線の内側に小さな「試し穴」をあけるのも実際的な方法です。ビットを差したまま、ベースの縁に線を引けば、そこがフェンスの位置です。この場合の穴は4箇所あけます。

固定されたフェンスに、ベースを押し付けて直線部分を切り進みます。それが終わると、曲線部分はフリーハンドでの操作になります。しかし、刃の幅いっぱいを使って切るのは、コントロールが難しいものです。

板は年輪ごとに硬軟をくり返すため、つい力が余ってしまいます。それよりは、墨線から少し離れた内側を切ってから、軽い力で削り広げたほうが無難です。そして残った中央部は、ベースをよく安定させて、刃のすくい方向に送って削ります。

トリマ テンプレートガイド 切り抜き

トリマーは溝切りだけでなく、切り抜くこともできます。テンプレートガイドは図のような円盤です。テンプレート(型板)を使って、何枚も同一形状を作る時に使います。同じことは、板を何枚も重ねてジグソーで切ってもできます。違うのは、切り口が滑らかなこと。ちょうど、カンナをかけた面と同じです。

トリマー テンプレートガイド 切り抜きテンプレート ガイド

テンプレートガイドを使ってみましょう。取り付けは図のように、ベースの中心にテンプレートガイドを置いてネジ止めします。ベースの下には3㎜ほど突き出ます。これがガイド面です。テンプレートは厚さ4㎜ほどの板をジグソーや糸ノコ盤で切り抜いて用意しましょう。ビットはストレートビットが適当です。

テンプレートと板はズレないようにクランプで固定し、下にはバルサなどの軟材を入れます。最初の挽き口としてあける穴は、切り線上を避けます。そのためには、テンプレートに導入路を設けておきます。切り抜いた形は、その部分が出っぱりますが、後でヤスリで削り取ります。テンプレートに沿って進み、一周したらスイッチを切ってビットを抜きます。

おすすめ BOOK

動画 おすすめ トリマの使い方

 *トリマ工具の選び方、使い方、手入れについては下記の文献に更に詳細な内容が記載されています。

参考文献:
1.DIY工具選びと使い方 著者:青山元男 ナツメ社
2.DIY 道具の便利手帳 監修:西沢正和 大泉書店
3.電動工具 徹底利用術 著者:荒井 章

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク