卓上グラインダーの正しい選び方、使い方

ベンチグライダー イラスト

卓上グラインダーの使い方

 卓上グラインダーの設置

卓上グラインダーでの作業は、ほかの卓上機よりもやや低めにしたほうが安心感があります。姿勢としても、両腕のわきを引き締めて材料を構えるのに好都合です。支持台がウェストの高さぐらいにあれば使いやすいでしょう。また高い場所に置くと、砥粒を浴びることにもなりかねません。

卓上機の基本で、台にボルトを貫通させて固定します。しかし、取っ手が付いたコンパクトな機種は固定せず、機動性を活かしたほうがよいでしょう。棚に収納して、使う時に取り出す使い方です。この場合は、作業するうちに振動でわずかずつ移動してしまうので、ゴム板を敷いたほうが確実です。

刃物の荒研ぎに備えて、水容器があれば便利です。左右どちらの砥石を使っていても手が届くように、真ん中にあれば申し分ありません。機種に専用のスタッドもあります。買い求めるのも、参考にするのもよいでしょう。

置く環境も気を付けなければなりません。金属の研削では火花が出るので、引火性の溶剤やガスを使ったり貯蔵している場所は避けます。

また切りクズが落ちたところは、粒状にサビになります。サビを嫌う製品からは遠ざけたほうが無難でしょう。

卓上グラインダー 設置方法

卓上グラインダー基本操作

砥石は手前に向かって回転しています。材料の保持が不安定になると、手前にはね返って来るので注意が必要です。材料は必ず支持台に載せるか、または当てて保持します。しっかり握って、軽く砥石に当てましょう。

そのまま支持台に沿って左右に移動させます。砥石の幅いっぱいを均一に使います。つまり砥石の表面をいつも平らにすり減らすのが、使いやすい状態を保つコツです。一箇所をえぐってしまうと砥石が使いにくく、また側面を使うと砥石を割る原因になります。まれなことですが、割れた破片は手前に飛びます。

普通、2つの砥石は左右で粒度を変えてあります。粗い砥石で大まかな形に研削し、細かいほうで研磨して整えるのが基本です。そうすれば、軽く当てていても速く、安全に、そしてきれいに仕上げられます。また目詰まりも防げます。

砥石の正面は、材料や砥粒、まれに砥石の破片が飛んで来る可能性があります。
そこには顔を出さず、砥石の側面から見るようにします。結果として斜めに構える姿勢になります。また目を守るために防じんメガネは必ず装着してください。長時間の作業には防じんマスクも必要です。

卓上グラインダー 操作

卓上グラインダーの使い方 金属バリ取り

「バリ」は金属を切つた際に、刃に引きちぎられて残った跡です。カドがするどく立つているので、ケガのもとになります。バリ取りでは普通、端面に向かってカドを落します(図のA)。

しかし外形寸法がシビアで、端面をいじれない時には逆方向に研ぐこともあります(B)。またグラインダーの研削でもややバリが残るので、なでつけるように研磨して仕上げます。

卓上グラインダー 金属バリ取り
材料の状態によって、ケガキ線の外側に削りしろが残つている場合は、外形を研いで整えます。材料を支持台に密着させて動かし、端面を垂直に仕上げます。

この時に下側にはバリができます。ここはカドを面取りして落します。材料に4~5mmの厚
さがある場合は、材料の先端を斜め下向きにして支持台に当てます。 3mm以下の薄いものでは砥石とのすき間に入ってしまうため、先端上がりに当てます。

このように先端を浮かせて保持していると、材料が飛ばされやすいので注意が必要です。支持台にしっかり当てて、砥石には軽く触れる程度で研ぎましょう。また面取りの削り量が少なければ、材料を上から垂らすような保持方法もできます。バリ取りの最後に、なでつける作業はこの方法になります。

でき上がりのきれいさは、面取りした細い線が一定幅に連続することにあります。それには、材料を均一の押し加減と速さで動かすことが大切です。さらに砥石の表面が平らであれば、この作業もやりやすくなります。ただ砥石でのバリ取りや面取りは荒研ぎであって、仕上げではありません。ケガを防ぐのが主目的です。滑らかさが必要な場合はサンドペーパーやサンディングディスクを付けたディスクグラインダーなどでの研磨を組み合わせます。

 細い丸棒を面取りする場合は、横から支持台に載せて指で回転させます。両手でとぎれなく回します。また材料が小さくて持ちにくい時や、手が砥石に近づきすぎる際はバイスプライヤーにくわえて保持します。いずれも必ず材料やバイスプライヤーを支持台に当てて、しっかり安定させることが大切です。

バリでのケガが心配であれば「革軍手」をはめます。綿の軍手はバリのギザギザが吸い付いたり、砥石に巻き込まれやすいので使いません。

卓上グラインダー 金属バリ取り1

卓上グラインダー 刃物の「荒研ぎ」

ここでは、傷んだカンナ身を例にして、刃物の「荒研ぎ」を見ていきましょう。図のような刃の修正は研ぎ落し量が多くて、手では研げません。こんな場合に卓上グラインダーで、おおざっぱな形を作っておくのが荒研ぎです。

丸刃(まるば)」は、刃角が広がり過ぎて切れ味が悪いので修正が必要です。手研ぎの手が不安定のまま研いだ時などはこうなります。また「中高(なかだか)」は、カンナをかけても均一に切れない状態です。

そして「刃こぼれ」は、刃が欠けてしまって木材をキズつけやすい刃です。どれも荒研ぎで直すのが早道です。卓上グラインダーでの荒研ぎでは、図のようにあまり削り過ぎないところで終わりにします。これ以上のこまやかな研ぎは「手研ぎ」で行います。

このなかでも「刃こぼれ」の修正はいちばん研ぎ落し量が多く、それだけに手研ぎの労力を軽減できる作業です。この修正作業をしてみましょう。まずカンナ身の欠けたところまで直線に研ぎ落します。前もって油性ペンで、切れ刃の幅を2本の直線でひと回り引いておけば、後で目安になります。カンナ身を支持台に平らに置き、軽く砥石に当てながら、左右にずらします。砥石の粒度は粗いほうを使います。

卓上グラインダー 刃物の「荒研ぎ」

これで火花とともに安定して削れます。 直線になったら、次は切れ刃をもとの角度どおりに研ぎます。止まっている砥石の表面に切れ刃を当て、研ぎ角度の目安をつけます。支持台との位置関係を頭に入れてからスイッチON。その角度を守って、支持台を横にたどります。

時々裏返して当たり具合を確かめ、角度を調整します。円筒に当てているので、「刃先」と「しのぎ」部分ではやや角度が変わります。

そして刃先はわずかな厚さに研ぎ残します。表から見てわかる角度としては、砥石の表面に付いて1周してきた火花が1/3ほどカンナ身の上を流れるくらいの角度です。

卓上グラインダー 刃物の「荒研ぎ」2
比較のため、刃角が大きい「タガネ」の研磨を見てみましょう。刃先が支持台のすき間にはまり込む恐れがなければ、前下がりに保持しても大丈夫です。このほうが研ぎ跡が上になって見やすく、角度の調節はラクになります。

ただし、このような保持ができるのは刃角が大きい刃物に限られます。 夢中になって研いでいると、刃物が焼けることがあります。紫色に変色した部分は焼きが戻ってしまった状態です。こうなるとさらに研ぎ直すしかありません。

これを防ぐため、作業中は刃物をこまめに水に入れて冷やしましょう。水の中でよく振るのが効果的です。また、容器はすぐ手が届くところに取り付けておきましょう。なおこれに関連して、砥石に水をかけたり含ませたりするのは危険です。

冬場には凍結によって砥石が割れる場合があります。また油は砥石の結合剤(接着剤)成分を損ないます。

卓上グラインダー たがね 「荒研ぎ」

 卓上グラインダー メンテナンス

最も大切なのは、砥石のコンディションを整えることでしょう。目詰まりや形の偏摩耗が起きたら、「ドレッシング」や「形直し」をしましょう。

ドレッシング」とは、アルミなどの軟材が詰まってツルツルになった砥石の表面を、砥粒ご
と削り落して、新しい砥粒を表に出すことです。同時に表面を平らに「形直し」して仕上げるので、このふたつの作業はあまり区別しません。

道具は「ダイヤモンドドレッサー」を使います。軟鉄の棒の先端に固いダイヤを埋め込んだ専用工具です。これを回転している砥石の直径方向に向けて、支持台に当てます。そして砥わの出っぱったところを、軽く突き刺しては移動します。

砥粒がパチパチと手に当たるので、革軍手をはめたほうがよいでしょう。目詰まりの光沢が消えたら、今度は軽く当てて左右に移動し、表面を平らにならします。仕上げに鉄板の端面を平らに当てて、浮き気味の砥粒を飛ばします。

 軟材が目詰まりのもとです。びっしり詰まる前に、ちょっと研いだら鉄板を研ぐというように、交互に使えば防げます。そばに使い古したマイナスドライバーなどを用意して、ドレッサー代わりにしてもよいでしょう。

卓上グラインダー 砥石の修正

動画 おすすめ 卓上グラインダーの使い方

*工具の選び方、使い方、手入れについては下記の文献に更に詳細な内容が記載されています。

参考文献:
1.DIY工具選びと使い方 著者:青山元男 ナツメ社
2.DIY 道具の便利手帳 監修:西沢正和 大泉書店
3.電動工具 徹底利用術 著者:荒井 章

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