ノコギリの正しい使い方、選び方、手入れ

ノコギリ イラスト2

ノコギリの基本的な使い方

ノコギリは切り始めがもっとも重要。ノコ刃が目的の位置に入らなければ意味がない。
最初は小さなストロークで切れ目を入れる。チョンチョンと小さく引くとうまくいく。
ノコギリは押す時ではなく引く時に切れるもの。切れ目ができたらノコ刃全体を使つて大きなストロークで作業できるが、引く時に力をかけるように意識しよう。また、ノコ刃を材料に対して30度ぐらいの角度にすると通常は切りやすいが、これは状況に応じて臨機応変に切りやすい角度を探せばいい。

1.材料固定

ノコギリの使い方1

材料固定

切断する材料をしっかり固定する。材料が動いてしますと真っ直ぐに切れなくなる。

画像出典先:DIY工具選びと使い方 著者:青山元男 ナツメ社

2.墨線に刃を当てる

ノコギリの使い方2

墨線に刃を当てる

刃は1mm程度の幅がある。使う側の材料が目的の長さになるように墨線に刃を当てる

3.切り込みを入れる

ノコギリの使い方3

切り込みを入れる

最初は柄を短く待ち、墨線の近くに片手を置き、短いストロークで切り込みを入れる。

ノコギリの使い方4

この程度まで切り込みを入れれば、以降は安定してノコギリを動かせるようになる

4.カット作業を継続

ノコギリの使い方5

ノコを常に真上から見るようにして材料に対して30度を保ちながら切り進む。

5.切り落とす材料を保持

ノコギリの使い方6

切り終わる前に、切り落とす側の材料が自重で落ちると材料が欠けるので片手で支える。

それぞれのノコギリの特性、使い分けの考え方、切り方のコツ。これらを具体的に知るには、使ってみるのがいちばんです。ひとつずつ持ち替えて切ってみましょう。まずは操作の基本となる、ヨコ挽きノコからです。

ヨコ挽きの方法

ヨコ挽きノコを使って板を切りましょう。ノコの柄は、左手を柄頭側にして持ちます。竹刀や野球のバットの持ち方とは逆です。いずれも右利きの場合を見ていきます。右手は柄尻をつかんでノコを真っすぐ引っぱる役目、左手は刃を板に押し付ける役目です。低い台で、板に足を乗せて切る方法を基本にします。
体の姿勢を決めましょう。まず、刃を板の墨線に載せてすぐ横に左足を置きます。身を乗り出して、墨線の真上から見る姿勢をとります。脇はノコが通る分だけ避け、右足は引いて墨線を延長した位置につま先を置きます。
切断面が傾くことを防ぐために、墨線の輿llに顔を持、Jてくるので才が、厳密にはこの位置に「利き目」を合わせることになります。利き目とは狙いを定める時に見やすい目をいいます。

普段は意識することはないでしょう。乾杯の時のように手を前に出して、人差し指を立ててみるとわかります。片目をつぶってみて、指がパッと移動して見えたら、それが利き目です。『墨線の真上』の位置がつかみづらい時には、墨線の近くに直角な端材を立てて見通せば確実です、こうして頭や手足の位置と姿勢が決まったら、その姿勢を意識して保持します。

切り始めはノコがズレやすいので、切る箇所にツメを立ててガイドにします。
軽くノコを挽いて刻みを付けてから切り始め、だんだんノコ身の全体を使って大きく挽くようにします。ノコを挽く角度は約30度。姿勢を保持して、一定の調子で続けます。できれば途中で休まず、一気に切り進みましょう。そして切り終わりには注意が必要です。板をそのまま切り落とすと、切り口が欠けるからです。
落ちる板を手で支えるか、ノコの手元を低く傾けて切りましょう。前もって、落とす板の下にやや低い台をおけば安心して切ることができます。
高い作業台の上で切る場合では、足が乗りません。しかし手で板を押さえて、片手で切ったのでは不安定です。なるべく板はクランプで固定しましょう。また柄の位置が高いと、ノコを抱えるような持ち方になります。操作しづらい時は持ち方を変えます。左手はかぶせるように持ち、右手は人差し指を立てて柄に添えるとラクに切れます。これ以外の要領は、足乗せ切りと同じです。

ヨコ挽き作業

ヨコ挽き作業

タテ挽きの方法

次はタテ挽きです。替刃ノコのタテ挽き刃、または両刃ノコのタテ挽き目を使います。体の姿勢はヨコ挽きと同じです。材が長い場合は、その上に乗るかまたは避けて姿勢を工夫します。タテ挽き目は刃が大きいので、切り始めは材に食い付いて躍ります。そこで最初は元刃で刻みを入れて防ぎます。
ノコの寝かせ加減は30°を基本にします。立てれば早く切り進めますが、曲がりやすくなります。逆に、より真っすぐに切りたい時や、薄板でバタつきやすい時は寝かせます。材の硬軟や厚さによって、挽きやすい角度は変わります。調子よく挽ける角度を探し当てたら、その角度を保って進みます。途中で切り口が締まって、挽きが重くなった時はクサビを打ち込みます。

タテ挽き作業

タテ挽き作業

動画 のこぎりの使い方 |初心者、ビギナー

ノコギリ 使い方 コツ ポイント

ノコギリは大きなストロークでノコ刃の端から端まで使えば、効率よく、楽にカットできます。

ノコギリ 使い方 ノウハウ

ノコギリ 使い方 ノウハウ

替え刃の交換方法

もっとも普及している替え刃の交換方式はゼットソー式だ。ネジなどを使わずに確実に刃を固定できるものだが、初めて交換を経験する人のなかには、こんなことをやってもいいのかと不安になることもあるようだ。
柄の取りつけ部のなかには回転軸になるものがあり、刃のつけ根にある溝がここに収まり、取りつけ部周囲の金属の弾力で確実に固定される。通常の作業で力がかかる方向に刃が押されてもまったく問題ないが、逆方向に押されると刃が外れる仕組みだ。

こうした方向に力を加えるために、作業時とは上下逆方向に柄を持つて、ノコ刃の背を地面などに軽く打ちつける。慣れれば一発だが、慣れないうちは少しずつ打ちつける力を強くしていくと、固定部分を中心にしてノコギリ全体が折れ曲がる。後は、柄の側に折り込むようにしていけば、ノコ刃を取り外せる。装着の際には接続部分にある程度まで刃を挿入したら、今度は刃を持つて柄を打ちつけて押し込む。

替刃交換方法

替刃交換方法

ネジを使つてノコ刃を固定するタイプは、考えるまでもない。固定ネジをゆるめれば、ノコ刃が柄から抜ける。装着の際はノコ刃を差し込み固定ネジを締め込めばOKだ。

ノコギリ 活用&補助道具|初心者向け

ノコギリガイド|女性でも真つ直ぐに切れる

手ノコで真つ直ぐ切るのが苦手な人はノコギリガイドを使うといい。写真は箱切り定規というタイプのもの。両側の壁面にノコ刃を通す溝が作られている。材料をガイドのなかに置き、片側の壁に密着させておけば、間違いなく真つ直ぐに切ることができる。そのためには、材料をガイドに対してしっかり固定すること。ガイドごと作業台にクランプで固定するのがベスト。

ノコギリガイド

ノコギリガイド

直角ばかりでなく、45度の切断にも対応しているものが多く、その他の角度に使えるものもある。また、溝ではなく磁石によってノコ刃の位置がブレないように誘導するノコギリガイドもある。

ノコギリ ガイド 使い方

ノコギリガイド1

ノコギリガイド 使い方1

ノコギリガイドの中で材料が動いてしまつては意味がない。ガイドとともに材料をしっかりと固定する。

ノコギリガイド2

ノコギリガイド 使い方2

材料に引いておいた墨線とノコギリガイドの溝をぴったり合わせること。位置が合っていなければ目的の位置で切れない。

ノコギリガイド3

ノコギリガイド使い方3

ノコギリガイドの溝にノコギリを入れて材料を切る。ノコギリの刃がぶれないので真つ直ぐに切ることができる。

ノコギリガイド4

ノコギリガイド使い方4

ガイドに入れたまま最後まで切ることもで
きるが、刃がぶれない程度まで切り込みが入ったら、ガイドを外したほうが作業しやすい。

動画 ノコギリガイドの使い方

ノコギリ ウマ(馬)の使用

ノコギリを使うときに、必ず用意したいのがウマ(馬、英語でソーホース)だ。ウマを使って切断する材料に高さをもたせることで、ノコギリの刃が作業台などに当たることを回避できる。また、材料の長さに合わせてウマの位置を調整することで、切断する材料を安定させることもできる。片手でしっかり材料をおさえられる位置をさがそう。

ウマはふたつセットで使用する。製品としても用意されているが、写真のように端材を用いて、自分の使い勝手に合わせて自作しても良い。

ノコギリ ウマ

ノコギリのウマ

ノコギリ ウマ 使用例1

ノコギリ ウマ 使用例1

最も安定した状態で木材切断できるポジションにする。木材が不安定だと刃が引つかかりやすくなったり、木材が動いて作業がしづらくなる。

ノコギリ ウマ 使用例2

ノコギリ ウマ 使用例2

切り始めはこのような形でも良いが、切断が進むと木材がブレて不安定になりやすい。できれば、上の写真のようなウマの使い方がのぞましい。

カット作業 クランプの活用

厚手の木材を切断するときは、鋸と木材の摩擦抵抗が大きくなるため、手で木材を抑えつけることが困難になる。このようなときは、クランプなどの固定道具を活用し、木材と作業台に固定させると良い。

ノコギリ クランプ 活用

ノコギリ クランプ 活用

木材をクランプで作業台にしっかり固定させる。
ノコギリを持たないほうの手は、万が一クランプが緩んで木材が動いてしまったときに備え、木材を抑えておいたほうが良い。

ノコギリの保管&手入れ

ノコギリを風に当てていると、すぐにサビます。サビたノコは、板の切り目を汚すもとです。ノコ身は油さえ塗っておけばいいのではなく、必ずケースに入れましょう。

(購入時に付属したケースまたは防錆紙(サビを防ぐ特殊な紙)に収めておくこと。)

図のようなケースなら、ボール紙ですぐに作れます。そして休憩時間の短い間でもケースに入れる習慣をつけていれば、サビは確実に防げます。
すでにサビてしまったノコは、油とともにサンドペーパー400番で磨けば復活します。刃はテープでカバーしておきます。この部分はサビても、板の切り目が汚れることはありません。

板が汚れ、挽きが重くなる原因は、サビを芯にしてヤニと一緒に盛り上がったところです。ここを油研ぎしてスベスベの平面になればOK。

サビの深部まで削り取る必要はありません。そこにはロウを塗って進行を止めます。ロウソクをすり込んでから、端材の木口面で余分をそぎ落とします。

ノコギリ-サビ対策

ノコギリ-サビ対策

防錆(サビ)潤滑剤などを吹きつけるときは適量で油分が多すぎると、次に使用するとき木材に油分がしみることがある。

ノコギリ 錆止め

ノコギリ 錆止め

防錆潤滑剤はサビを防ぐには有効な手段だが、あくまで少量にとどめよう。次回の使用前は、防錆潤滑剤を拭き取ること。

*ノコギリ(鋸)工具の選び方、使い方、手入れについては下記の文献に更に詳細な内容が記載されています。

参考文献:
1.DIY工具選びと使い方 著者:青山元男 ナツメ社
2.DIY 道具の便利手帳 監修:西沢正和 大泉書店
3.電子工作工具活用ガイド 著者:加藤芳夫 電波新聞
4. 道具の徹底使用術  著者:荒井章 山海堂

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