ヘルメットの正しい選び方、使い方

ヘルメット4

ヘルメットとは?|保護帽子、安全帽子

頭部を保護するための帽子は、広く一般的にヘルメット(保護帽子)といわれており、労働者の頭部を保護するための保護帽も、労働者用の保護具という観点から「保護帽」といっています。

JlSなどでは「安全帽」とも言われてきましたが、一般的には、法令で規定されている「保護帽」と呼んでいます。
この「保護帽」は、厚生労働省の「保護帽の規格」に適合し、型式検定に合格しているものでなければ使用することができないと定められています。従って、労働安全衛生規則で、着用
が義務付けられている作業場所で使用する「保護帽」は、検定合格標章が貼付されていなけれ
ばなりません。

英語:ヘルメット PROTECTIVE HELMET

作業用安全帽子  SAFETY CAP FOR WORK

日本工業規格 JIS T 8131 産業用安全帽 

解説概要

適用範囲:この規格は,飛来物又は落下物に対する産業用安全帽(以下,安全帽という。)の物理的及び性能的な要件,試験方法及び表示の要件について規定する。一般に使用する安全帽には,5.1 を適用する。5.2 は,特別に要求される場合にだけ適用する。備考 この規格の国際対応規格を次に示す。ISO 3873 Industrial safety helmets

その他の詳細は下記のサイトを参考にして下さい。

JISC日本工業標準調査会サイト

産業用安全帽の日本工業規格はJIS T 8131 です。JISC日本工業標準調査会サイト内のJIS検索から内容が閲覧可能です。(但し印刷不可)

*現在はIEインターネット エクスプローラーのみ閲覧可。

kikakurui.com |JIS規格票をHTML化したサイト

産業用安全帽の日本工業規格はJIS T 8131 が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず)

JIS T 8131 産業用安全帽

豆丁 |中国の資料閲覧サイト

産業用安全帽の日本工業規格はJIS T 8131が全文、閲覧、可能です。(但し英文、図、イラストは含む、ダウンロードは有料)

JIS-T-8131  産業用安全帽

ヘルメットの歴史 |頭部の安全保護具 キャップ

帽子型ヘルメット |保安帽

わが国の保護帽の誕生は、1932年(昭和7)の鉱山用保安帽(ファイバー製安全帽)

にまでさかのぼります。

昭和7年(1932年)にタニザワは鉱山用保安帽の製造・販売を開始しました。実用新案特許を得たその帽子は「カッパ型」とよばれました。

カッパ型保護帽

画像出典先:谷沢製作所サイト

これは薬液に紙を浸して惨み込ませ、積層硬化(バルカナイゼーション)させたバルカナイズドファイバーという素材を用い、これに漆(うるし)を塗ってから型で抜いて、プレスして作ったものでした。

水に触れると次第に膨潤してやわらかくなってしまいます。主に炭鉱や鉱山で使用されていた
ようです。重さは、わずか230グラムで、頭部が波打っているため通気が抜群で、耐電性もあります。素材は紙なので、現在からみれば防護性能は低いものでしたが、使用済みになれば現場に捨てても問題がない環境にやさしい製品でした。

軽量で涼しい軽合金製ヘルメット |軽いヘルメット

戦後間もなく市場に登場したのが軽合金製の保護帽でした。アルミニウムはそのままでは弱いので合金を使い、平板を10回以上もプレスしながら、次第にしぼって作成するものです。軽合金は軽量で涼しいという利点があり、また、経年劣化もなく、安定した材質として広く用いられました。

軽合金製の保護帽は耐電性がないことが欠点で、次第に合成樹脂製の保護帽に押されていきました。軽合金製は、長く使える(リテイン、リデュース)、材料として再利用しやすい(リサイクル)などから、最近では環境面で見直されるようになり、復活の兆しもあります。

軽合金製保護帽

ベークライト(フェノール樹脂)ヘルメット|アメリカン

戦後、進駐軍がかぶっていた鉄かぶとには、中に内帽(ライナー)としてべークライト帽゛が着装されていました。これ自身にそれほど耐衝撃強度はありませんが、綿帆布に浸して重ねてゆくと、丈夫な材料になります。
ベークライト(フェノール樹脂)は電気絶縁性が高く、比重も軽いので、電機部品に多く使われてきました。熱硬化性樹脂なので、水に触れても膨潤して軟化することがありません。

ベークライト製MPヘルメット

ベークライト製MPヘルメット

ポリエステル樹脂製ヘルメット |工事現場、作業現場

その後、ポリエステル樹脂とガラス繊維を合わせた材質であるFRP製(ファイバー・レインフォーストープラスチック)の保護帽が開発されました。

ポリェステル樹脂そのものにはそれほど強度はありませんが、ガラス繊維に浸潤させると強度が出て、絶妙な材質となります。熱硬化性樹脂で耐熱、耐寒性があり、電気的にも低電圧なら十分絶縁性があります。

さらにFRPは、化学的に安定しており、溶剤やガソリンなどにも強く、安心して表面加工ができます。

そのため、自由に着色でき、保護帽にマークやネーム等を付けるのに大変便利な素材です。現在は保護帽の素材の主流となっています。カラフルな製品が多く登場しており、白地に絵を施したものまで売られています。

ポリエステルFRP製保護帽

ポリエチレン樹脂製ヘルメット |高圧耐電圧

ポリエチレンという樹脂は、塩化ビニルとともに世界で最も普及している汎用プラスチックです。すでに1960年にはポリエチレン樹脂製の保護帽が市販されており、特に高圧の耐電性を求める事業所では使用されていました。

耐候性が良くないと云われていたポリエチレンですが、改良を重ね、強度的にも十分に国家検定を超えるものとなりました。また、経年劣化しにくいことがわかり、広く普及するようになりました。

ABS樹脂製ヘルメット |高電圧用の耐電帽

ABSという樹脂は、アクリルニトリル、ブタジェン、スチレンの共重合体です。成形の際の樹脂の流れがとてもよく、加工がしやすい素材であり、価格的にも比較的安いので、家電製品や自動車など広く用いられています。以前は耐候性が弱いのが欠点でしたが、最近はかなり克服されてきました。
表面が美麗で、加工もしやすいため、市場でも多く受け入れられています。また、大分軽くなっています。表に鋲の出ない作り方なので、高電圧用の耐電帽として使えます。
ただし、溶剤、ガソリンなどにやや弱いうえ、融点が高くないので、高熱作業などで用いる
と、形が変形てしまうという事故も起きており、高熱環境には不向きです。

なぜヘルメットをかぶるのか?|頭部の保護帽

様々な職場において頭部に関する事故報告がなされています、その形態も多様で,座った状態で転倒し後頭部を損傷して死亡した例や,もっと高い所から転落して助かった例もあります。その中で保護帽を正しく着用していた方は,頭部が保護されています。
保護帽を着用せずに,人頭がほぼ1mの高さから硬い平面上に落下,転倒すると頭蓋骨骨折を起こす危険があります。頭部は特に大切な箇所であり,外部からの衝撃に対して弱い部分であるため,転落や墜落等の危険がある場所では頭を保護する必要があります。

保護帽は,頭部を突起物から守ること,落下物,転倒時の衝撃を吸収し,頭へのダメージを著しく少なくする役目があります。

ヘルメット(安全帽)の名称と衝撃吸収のメカニズム

①帽体保護帽

②衝撃吸収ライナー

③ハンモック

④ヘッドバンド

⑤汗止めレザー

⑥耳ひも

⑦あごひも

⑧連結鋲

保護帽の大きな役割の一つは衝撃吸収です。保護帽全体(帽体、衝撃吸収ライナー、ハンモック)で吸収して、頭に伝わる衝撃を最小限に食い止めます。保護帽は硬さが命のように見えますが、実は柔らかさによって衝撃を吸収します。

ハンモックが伸びる

衝撃を受けると、まず最初にハンモックが伸びます。このため、ハンモックと帽体の間には十分な隙間が用意されています。ハンモックが古くなると、樹脂が経年劣化を起こして硬くなり、衝撃を受けた際に切れやすくなります。

帽体のひずみ

次に、帽体がひずんで衝撃を受け止めます。この時、衝撃吸収ライナーが内装されていると、より大きな衝撃を吸収することができます。ハンモックと同様に、帽体が古くなると樹脂が硬くなり、吸収性が悪くなります。なお、FRP 製の保護帽ではこの時、帽体が割れて衝撃を吸収します。

帽体の復元

帽体が衝撃を受け止めた後、帽体は元の形に戻ろうとします。この時に起る反発エネルギーは人間の頸椎に衝撃を与えます。FRP の帽体は割れることによって、この反発エネルギーを吸収
し、頸椎への障害を最小限に抑えます。

帽体の復元

衝撃吸収ライナーの効果

保護帽には内側に発泡スチロールでできた半球状の部品が入っているものがあります。こ
れは、「衝撃吸収ライナー」と呼ばれるもので、墜落した時に頭部に加わる衝撃をやわらげるための部品です。
この衝撃吸収ライナー付きの保護帽と、ライナーなしの保護帽とで、衝撃荷重を測定・比較
した実験結果があります。

これは、1メートルの高さからダミー人形の頭を落として、頭にかかる衝撃荷重値を測定したもので、まず保護帽をかぶっていないときの衝撃荷重は16キロニュートンでしたが、ライナーなしの保護帽をかぶったものは10.8キロニュートン、ライナー付きの保護帽をかぶったものは4.7キロニュートンと、大きく低減されました(約3分の1)。
したがって、建築・土木作業の現場では、衝撃吸収ライナーが付いている保護帽を使用しな
ければなりません。飛来落下物用には、この部品は付いていません。

 ヘルメットの着用場所 |安全保護具の着用

① 土木・建設等の飛来・落下物の危険のある作業場所
② 車両・倉庫の積荷の上の転倒,転落の危険のある作業場所
③ 電気作業等の感電の危険のある場所
(注)保護帽は安衛則(労働安全衛生規則)によって,着用しなければならない場所
が決められています。

ヘルメットの国家検定ラベル |労働安全衛生規則

保護帽の検定ラベルは,厚生労働省の型式検定により次の2種類(飛来・落下物用,墜落時保護用)があります。それぞれの保護帽には電気用を兼用するものがあります。型式検定に合格したものには[労・検]のラベルが貼付されています。

保護帽の種類は単独の目的で使用されるときもありますが,2つ以上の目的に
使用される兼用型が多くなってきました。

型式検定合格

ヘルメット検定合格品

ヘルメット検定合格品

スポンサーリンク
見放題ch ライト
スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク